英叡翁のちばらきの日常

ちばらきエリアでトレランと畑仕事をやってるアラフィフおじさんの日常について綴ります

KAI69参戦結果

前日からの続き

 

朝は6:00起床。ホテルの朝食は7:00からなので、ゆっくり身支度をして、6:55に朝食会場へ行った。会場の準備はもう出来ていて、幸いほとんど待たずに時間前に入れた。そのあと7時のスタートに合わせて来場者が一気に増え、混雑したので、このちょっとの差が結構大きかった。

スタート地点がホテルから近く、預け荷物もないので、そんなに早く会場入りの必要はなかったものの、指定の駐車場のスペース(富士山パーキング)が心配だったので早めに出発し、駐車場に8:30ごろ到着。やはり結構スペースがなく、たまたま空いていたところに駐車。それにしても良い天気で富士山がとてもきれいに見えた。ただ暑くなりそう。

スタート会場に移動すると、開場は9:00からだったので、すぐ横のUTMFのエイドから出発するランナーの様子をうかがいに行った。さすがに夜通し90km走った後なので皆さん疲れた様子で、エイドからスタートする際は皆歩いていた。

スタート会場がオープンになり、スタート地点でストレッチしつつ、うだうだしていると、先頭の人がゴール。やはりトップの人は早い。せっかくなので2位の選手がゴールする際はゴール地点に移動しゴールの瞬間を見てみた。NHKのグレートレースで見るような人が目の前にいるのがなんとも変な感じ。ゴール直後、このクラスの人たちにはしっかり荷物検査が行われるようで、まずはその確認作業に入り、重量計測と必携品のチェックを行い、確認が行われたところで、正式に2位とアナウンスされていた。自分のレベルじゃ関係ないけど、それにしても荷物が小さい。自分の荷物が巨大に見える。

そうこうするうちにスタート地点に集合。500人と比較的少ないせいかウェーブスタートではなく、特に、並び順も指定がなかったので、先頭の方に並ぼうと思えば出来たのだが、そこは無理せず真ん中くらいかなぁ、というあたりで立ち止まり、スタートに備えた。

11時にスタート。最初はダートの林道、そしてロードと、ほとんど平たんな区間。歩いているUTMFの方々をこの区間ではさすがにどんどん抜いていく。みなさん疲れているはずなのに「頑張れ!」なんて声かけてくれる人も結構いて、「お互い頑張りましょう」と返しながら走る。

富士吉田の道の駅は大勢の人でにぎわっていて、そこを過ぎると富士登山競走の駐車場で何度も来た鐘山まで坂道を下る。車ではなんども来たところでなじみはあるものの、自分の足で走るのは初めてで、ちょっと不思議な感覚。

そこからいよいよそれなりの上りが始まる。といってもこの辺りはまだ足取りも軽く、緩い登りは走りながら進み、軽やかに鳥居地峠を抜け、一気に下って忍野村へ。そこからはしばらく平坦な区間。富士山がとてもきれいに見え、こんなところに住めたら最高だなというようなロケーションにたつ家々を眺めながら進み、最初のエイドに到着。2時間12分と、まあ想定程度の時間。気温が高く、思ったよりも水分を消費したので水を補充し出発。残念ながらコーラが置いてなく、またスポーツドリンクも、「まだ冷えていない」とのことで、単純な水だけを補充して2時間20分に出発。

忍野エイド手前の眺め

ここからはほどなく林道に入り、標高950mくらいから、大平山(1285m)を経由して、平尾山まで稜線沿いに行く。山中湖を見下ろしながら向こうに富士山、という絶景ルートで、本当ならゆっくり歩きたいようなルート。でも、今回はそういう目的ではないので、それはまた次の機会に。

大平山付近からの眺め

平尾山を過ぎると山中湖畔の第2エイドまで下る。標高が1000mくらいまで降りたせいか、結構暑い。平地に降りてから歩道を走り、また、信号もあるのでそこは信号待ちをして、最後は湖畔のサイクリングロードを通って第2エイド。3時間52分と時間的にはまあまあかな。

第2エイドではコーラにありつき、またここまでにだいぶ水分を消費したのでスポーツドリンクをハイドレーションバックに補充した。エイドにも、この先で熱中症が多発している、との注意事項が出ていたので、この先かなり大変なのかもしれない。汁物の提供もあったが、暑かったのでパスして出発しようと思ったところ、出口手前にトイレがあったので、とりあえず立ち寄った。山中湖きららに本設のトイレなので水道もあり、ちょうどいいと思って顔を洗ったら水が冷たくてチョー気持ちいい。何度も洗った上に、それで口を潤すとさらにスポーツドリンクで甘ったるくなっていた口を冷水が濯いでくれてすっきり。だいぶ気持ちよくなって再スタートが出来た。ちょっと長居になったが4時間4分。

第2エイドからは鉄砲木ノ頭(1291m)まで上る。車でも上れるパノラマ台からは、火山性の岩が細粒化した砂地の直登で、木がなく上の方までよく見え、あそこまで登るのか、と滅入らせられる。とにかくここは無心で登った。

そこからは樹林帯の稜線を、切通峠、高指山、富士岬平、大棚の頭と進み、山伏峠まで降りる。このあたりから消耗、というより、熱中症気味か、頭痛がひどくなって思い通りに体を動かせない。極めてまずい兆候。高指山の上りの途中でついに休み、そこからは頭痛の様子をみながら進む。UTMFの人たちが粛々と進む中、だらしないが無理して完走できないよりはと、とにかく体調優先で進むことにした。下りになれば頭痛は弱まり、足も残っているので、UTMFの人たちより速く下れる一方、上りになると頭痛で進まず、また抜かれるような感じになった。

山伏峠まで降り、石割山分岐までの登り返しになると、頭痛に加えて目まいが襲ってきて、たまらず途中で休むことにした。ちょっとまずい。今まで自分が唯一過去にリタイアした大会では、前半飛ばしすぎた結果、後半に目まいがしてきてそのあとの急登を登る自信がなくたまらずリタイアしたのだが、そのことが頭をよぎる。とにかくなんとか次の二十曲峠のエイドまで行って、寝るとかして復活するしかないなと思い、休み休み進んだ。

石割山の手前の分岐までたどり着き、そこからはエイドまではただ下るだけになった。だんだんと暗くなり、人によってはライトをつけながら進んでいるが、自分はとにかくこの勢いを止めたくないのでそのまま下り、ちょっと長かったけどなんとかエイドに到着。エイドは仮設で、テントの中の廊下を奥まで進み、突き当りで右側を折り返してまた出るような形になっていた。寒さ対策でストーブも焚かれていたが、自分は寒くはなかったのでテントの外の地面のやや斜めのところが空いていたので、そこで頭を下に横になって休むことにした。

少し寝たところ、だいぶすっきりしたのでテントの中に戻り、水分補給と提供されていた菓子パンを頂いた。食べると口の中が乾いてつまりそうだったので、一番しっとりしていそうなジャムパンにしたけどそれでもまだつっかえ気味になり、そこをなんとか押し込んだ。

到着時点で7時間40分、出発は8時間18分と、約40分の大休止になったが、とにかくゴールするためには仕方がない。完全に真っ暗になったのでヘッドライトを点灯し、出発。エイド(1134m)からは杓子山(1597.5m)までひたすらの登り。

当初は緩い下りだが、段々と斜度が上がる。さっき休んで頭痛はすっきりしたけど単純にスタミナ切れでペースが上がらず、UTMFの人たちと同じペースで進む。もうここからは時間は気にせず、とにかく確実なゴールを目標に切り替え、山登りの行動の際にバテ防止でやっていたのに従い、1時間行動したら一休み、というパターンでいく。斜度が上がりしばらく行くと今度は岩場になり、こうなると前の人が岩場を通過する間に一休みをすることが出来るようになり、ちょっと楽になった。そうこうすると鹿留山分岐まで登り、そこからは杓子山まではちょっと下って少し上る程度で、なんとか約10時間10分で杓子山頂に到着。

ほとんどの人が休憩しているので、自分も一休みしたとことで再スタート。下り基調になり、この時点でまだ足が残っている分、またも周囲よりは速く進むことが出来た。しかしだいぶ下り、トレイルから林道になったあたりから今度は胃がムカムカし始めてきた。たしかに提供されたスポーツドリンクがあまり口に合っていなく、すっきりしない感がずっとあったのが、このあたりから顕著になり、戻しそうな感じになってきた。

胃の逆流の圧が上がらない程度のペースを保って進むが、それでも気分の悪さは顕著になってきて、一旦休憩。少し落ち着いたところ再スタートしたが、ほどなく思いっきり逆流圧が上がり、かろうじて道の脇に寄った上で戻してしまった。といってもあまり胃の中には物が残っていなく、吐くものもないのに気分が悪すぎて吐く、ひどい二日酔いの時のような状況であった。

幸いひどい二日酔いの時とは違い、戻したところで比較的気分はすっきりし、林道下りを再開。11時間51分程度で富士吉田のエイドに到着。ここではうどんが提供されていて、「うどんいかがですか」という声が聞こえてくるが、とてもこの胃の状態では食べる気はしない。かといって何にも腹に入れないでスタートしたらここからの霜山の登りに耐えられないなと思い、荷物にあったシリアルバーを口にした。普段ならあっという間のシリアルバー1本すら食べきれず、半分食べたところで断念。とにかくここにいつまでもいてもゴールにはならないので、出発、12時間18分。

そこからはしばらく市街地の緩やかな下りのロード行く。標高650m付近まで下がったところからいよいよ最後の難関の霜山への登りが始まった。霜山への登りは比較的斜度はきつくないつづら折りの登りで、真っ暗な中、とにかく単調で嫌になる。

山と高原地図によるとコースタイム1時間45分くらいで送電鉄塔があり、そこから稜線までは同45分とのことだったが、下から40分程度登り、飽きてきたあたりで送電鉄塔があり、ひょっとしてこれが、なんて期待したが、暗いながらもまだまだ上が続いているのが明らかで、残念。とにかく杓子山の時と同じに行動1時間で休憩をとることとし、上り始めから1時間で一休み。その間に抜かれるがもう順位なんてどうでもいいので気にしない。

さらに登り、今度こそこれが例の送電鉄塔か、というところを過ぎ、傾斜が急になってきたあたりでまた胃からの逆流圧が高まり、道脇によけて出そうとするが、そもそも中にほとんど入っていないようで息が出るだけで他はなにも出なかった。やはりちょっと動きがきつくなると胃腸がもたないようなので、あまりペースは上げてはダメなようだ。

登り始めから約2時間、いよいよあとちょっとで稜線というところでボラの方がいて、もうすぐだと教えてくれた。なんとか稜線についたらあとは下り気味になった。ペース落としている分まだ足は残っていて、下りでは比較的早く進めそうだったので、胃腸に負担がかからない範囲で進む。

天上山付近でまたちょっとした登りがあり、もはや気力の問題のように思えるが、途端にペースが落ちてしまい、ここでまた何人に抜かれた。もうしょうがない。いよいよ最後の下りに入ると、またなんとかそこそこのペースで下り、富士急ハイランド近くの市街地に降りたった。あとは平地なのだが走る元気もないので歩く。数回曲がって線路を渡ると富士急ハイランドの脇を通ることとなる。日中は多くの人でにぎわい、巨大な構造物に沿って疾走するジェットコースターの音が響くのと打って変わって、わずかな照明の中でトレラン関係者が所々いるだけのがらんとした遊園地の脇を進むのはなかなか味わえない不思議な光景だった。

富士急ハイランドの入場口の前を抜け、国道を渡る高架で国道を越えるとゴールのコニファーフォレストの駐車場になった。さすがにここからは走ろうと、ゆっくり重い脚をなんとか繰り返し持ち上げ、スタート前にUTMFの選手を見送った場所を過ぎ、ゴール会場に到着。手前で6,7人の人がルート上で各選手にハイタッチをすべく待っていてくれた。そこを元気を振り絞ってハイタッチをして抜け、そのままちょっと進んでゴールテープが張られたゴール地点に到着、そしてゴールで迎えてくれた運営の方とグータッチ。16時間10分をちょっと切った。こんな時間にまでみなさんありがとう。

それにしても何とかゴールできてよかった。とにかくそれが今回の感想だ。

最近の大会(甲州オートルートチャレンジ、伊豆トレイルジャーニー)に比べると、体自体のボロボロさはまだましなものの、それ以前に暑さや胃腸がやられ、結果、気力が尽きてしまい、体力を出し切る力がなかった。

体力ももちろんだが、それを使うために必要な実力がなかったというのが今回の反省点であった。UTMFの半分にも満たない大会でこんな体たらくでは、とても来年UTMFの方にエントリーなんておこがましいと感じる。でも、そんな考えをすること自体がもはや自ら出る資格がないと決めてしまっているのかもしれない。

そんなことを思っている時間があれば、もっと総合的に強くなるよう頑張るべきなのだろう。とにかく反省すべきことが非常に多い、多くの教訓を得た大会であった。